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前回「厳しくして成長する奴なんて一握り」「必要以上に厳しくする必要なんてない」という記事を書いた。
「ぬるま湯だと成長できない!厳しい場所で成長すべきだ」みたいな意見は今もよく耳にする。
そんな僕もかつてはメチャクチャ厳しい職場に勤めてたことがある。
そして「厳しい場所で耐えないと成長できない!」という言葉を信じた結果、潰れる直前にまで追い込まれてしまったことがある。
今回はそんな「厳しい職場にいた頃の話」を書いていこうと思う。
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厳しい職場に配属されることになった僕
数年前、僕はIT企業の正社員として勤めていた。
IT企業とは言うものの、実際はIT系の社員を客先に常駐させる人材派遣会社だった。
そしてそこの派遣先にいるAさんというヤツがとにかくヤバいヤツだった。
仕事に対して異様に細かい上に説教が長く、言い方もかなりキツい人で僕たちだけでなく派遣先の社員たちからも煙たがられていた。
確かにAさんは知識も経験もありプレイヤーとしての実力は確かだったが、管理・育成という面で見ると大いに問題のある人物だった。
Aさんが原因で何人も辞めたり「Aさんと一緒に働くくらいなら会社辞めます!」なんて言う人もいるくらいだった。
そんなAさんの元で僕は働くことになったのだった。
地獄の日々が始まった
配属されてから地獄の日々が始まった。
わからないことを質問すれば露骨にため息をつかれ、何かを伝えようとすれば「もっと頭を使って話せ」と言われたりもした。
Aさんから質問された時、彼の望む答えが言えないと「君はバカなのか?」と言われたこともあった。
そんな日々が続いたせいで僕はすっかり自信を失って萎縮してしまい、判断力や決断力も低下してしまいミスを連発するようになってしまった。
そうするとAさんにキツく怒られ、更に萎縮しまたミスをするという悪循環に陥ってしまっていた。
人間は萎縮したり恐怖を感じると、パフォーマンスの質が大きく下がると言われている。
ミスをすると監督がブチ切れて怒鳴り散らすチームの選手が、ミスを恐れて思い切ったプレーができなくなる状態と考えればわかりやすいかもしれない。
だからパワハラ上司が「部下がミスばかりで使えない」と言っている時は、その環境で萎縮してしまい本来の能力を発揮できていない可能性が高い。
そして何よりもこの人の問題点は、とにかく説教が長いことだった。
「他の人はできているのになんでお前はできないんだ」
「お前はとにかく視野が狭すぎる」
1〜2時間平気で捲し立てるように説教をするため、僕は頭の中央あたりがボーッと熱くなるのを感じたほどだった。
しかし連日のパワハラ寸前の説教のせいで、僕のメンタルはマズい方向に向かってしまっていた。
メンタルがボロボロになっていった
Aさんに罵倒される日々が続いたせいでメンタルが落ちて、何をするにも億劫になり始めた。
出勤はなんとかできていたものの、朝になると憂鬱だし心が重かった。もうとにかく行きたくなくて仕方なかった。
食欲もなくなるし筋トレする気力もなくなるし何にもしたくなくなってしまった。
何よりもなぜか涙が勝手に流れてくるようになっていた。
自分では「もっと頑張らないと」と思っていたが、色んな面でもう限界を迎えつつあった。
当時の日記には、その時のつらい気持ちや不安でネガティブな思いが生々しく書かれている。未だに読み返すのに勇気が要るほどだ。
その職場を離れた今だからこそ思うが、こんな状態は確実にイエローサインだ。
メンタルを壊す寸前まで来ているから、今すぐに辞めるなり逃げるなりした方がいい。
それでも「できない自分が悪いんだ…」「厳しい場所から逃げたら成長できない」と思い込んでる真面目な人ほど潰れてしまいやすい。
自分が限界を迎えそうになるほどつらい状態でできる成長なんてない。サッサと逃げるべきだ。
地獄に仏
そんな地獄みたいな日々だったけど救いがあった。
それは色んな派遣先の方々が僕のことを心配してくれて、飲みに誘ってくれたり愚痴に付き合ってくれたのだ。
これは本当にありがたかった。
同じようにAさんに傷つけられた人たちが僕の話を聞いてくれて、たくさんフォローしてくれたのですごく心が楽になった。
新入社員の頃は右も左もわからない。
だからその上司と環境がおかしいのか、自分が間違っているのかの判断もなかなかできない。
「自分が悪いんだ…」と思い詰めていた僕にとって「自分じゃなくて環境が悪い」と知れてすごくホッとしていた。
特に派遣先にいたBさんという面白いおっちゃんがいて、なぜか僕を気に入ってくれてよく飲みに連れていってくれた。
派遣先のおっさんのほとんどはいわゆる社畜のような働き方をしてる人が多い中で、Bさんはプライベートを優先している珍しいタイプだった。
ほぼ毎日飲み歩いていて、飲み屋に行けば誰かしら知り合いに出くわすほど顔が広かった。
Bさんは筋肉質で女好きで「ガハハ」と笑うあけすけな人で、一緒にいるだけでこっちまで不思議と明るくなる魅力を持った人だった。
BさんはAさんと同格のポジションにおり、そのBさんが「アイツは全然なってない」とAさんを酷評していたことも僕がホッとするポイントの一つだった。
世間では「会社の飲み会なんて愚痴だらけでなんの生産性もない」なんて言うけど、美味しい料理を食べてお酒を飲んで自分の気持ちを吐き出すとめちゃくちゃ気が楽になることを知った。
みんな一生懸命働いていて、その中でどうしてもやりきれない思いや吐き出したい思いがあってそれを飲みの場で発散しているのだ。
男磨き界隈の連中だったら「飲み会なんて無駄!その時間を自己研鑽に当てろ」とか言いそうだが、そんなことをしてるヤツの方が潰れやすいとすら僕は思う。
そして僕は飲み会や人と話して回復するタイプの人間であることをこの時に知った。
なので僕は自分が潰れないための方法として「つらくなったら誰かと飲みに行く、電話する、直接話す」という方法を取っている。
だからもしあなたが飲み会や人と話すことで回復するタイプなら、世間の言うことに惑わされずどんどん飲み会に行くことをオススメする。
結局3ヶ月で異動することに
派遣先・派遣元含め色んな人に相談して、どうしても辛くなってしまったので結局僕は3ヶ月でその職場を離れることになった。
派遣先からの評価も低かったので、形としては契約を「切られた」ことになったがもうどうでもよかった。
世間的には「3ヶ月で辞めた根性なし」と見做されるかもしれないがそれすらどうでもいい。
毎日ネガティブになって鬱寸前の状態にまで追い込まれてする成長なんか存在しない。
そんな状態でできる成長なんかたかが知れてるし、仮に成長できても心の底に怒りや憎しみや悲しみといった負の感情がドス黒く残り続ける。
そんなストレスを抱えてまで働きたくないし、成長なんてしたくないと僕は思った。
もっと「普通に」働きたい。僕は心からそう思った。
まとめ
今回は僕が厳しい職場で働いていた時の話を書いた。
読んでみて正直「そんなに大した地獄でもないじゃん」と思ったかもしれない。
ただ今回の記事を書く中でどうしても詳細なことを思い出すのがつらくアバウトな内容を書いている。
だから臨場感を感じなかったかもしれないが、僕にとっては精神が壊れかけるほどの地獄だった。
「厳しい職場でこそ成長する」という意見も多いが、それを真に受けて鬱になったり潰れたら元も子もない。
そんな状態になってしまっても、その会社はあなたを助けてくれはしないのだ。
辞めるかどうかウジウジ悩んだりしてたけど、辞めてよかったと心から思っている。辞めたことを後悔したことなんて一度たりともない。
クソみたいな経験だったし2度とこんな思いはしたくない。本当に最悪だった。
…が、こんな状況の中にもいいことがあってこの時の経験があったからこそ
・本業だけでなく副業収入が必要な理由
・35年ローンが狂っている理由
・資本主義社会の仕組みとライフハック
について学ぶきっかけになった。
そして特に「なぜ人は会社を辞めたくても辞められないのか?」ということにも気付くことになった。
(参照:なぜ人はブラック企業を辞めたくても辞められないのか?)
若くしてこれを知れたことは幸運だったと思う。
人生のどん底でないと気付かないことや学べないことも多くあるようだ。
僕のクソみたいな体験談だが、誰かにとって役に立ってくれたら嬉しい。
それでは。
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